木の家みたいなマンションリノベーション
私たちは「自分たちが実際に暮らしたい!」と思える素材で住まいをつくりたいと考えています。
直接触れたり、目に入る「五感」の部分で気持ちいいと感じる空間にしたいんですね。以下、私たちがおすすめしたい気持ちのいい自然素材についてお伝えします。
目次
幅広の赤勝ち杉床の雰囲気がいい
まず一番おすすめしたいのが、杉の床板です。杉は足裏にとてもやさしい感触で、理屈抜きで本当に気持ちいいんですね。
入居後にオーナーさんから「これは人をダメにする床ですね」と言われました。つい、ゴロゴロと転がって、寝そべってしまうからだそうです(笑)。
でも、確かにそのとおりで、夏でもさらりとした乾いた感触ですし、冬はひんやり感も少なくて人によっては冬でも裸足の方もいたりします。
あと、これは不思議なんですが、硬い木の床の感触と杉の床の感触は明らかに違っていて、杉の方が「柔らかい」感じがするんです。
別に歩いてへこむわけでもないんですが、これは体感しないとわからない杉の良さだと思います。事務所の床も杉なので、本当かどうか、お越しの際はぜひ、確かめてみてください。
ちなみに杉床は源平といって赤身の部分と白身の部分の色合いの差が強くでる部分があります。時間が経てばだんだんと濃くなって同じような色になっていきますが、少々野暮ったい感じになる面もあります。
なので私たちが使う杉床は「赤勝ち」といって、そういう色合いの差が少ないものを使っています。少しスッキリと見えると思います。まあ、これは細かいお話ですが・・・。
またマンション用に開発されたものなので長さはエレベーターで搬入しやすいように1.8mくらい。厚みは3cmとかなり分厚いのですが、二重床工法との絡みもあって分厚くなっています。幅は21.5cmとこちらもかなり幅広。幅が広い杉床の方がなんだか受ける感じがいい気がします。
独特の風合いがでる塗り壁は夜の雰囲気もいい
壁で一番感じがいい雰囲気になるのが塗り壁ですね。塗り壁材はいろいろな素材がありますが、仕上がりの雰囲気が良いこと、コストバランスがよいこと、安全な素材であるかどうか、という点を検討して選びます。
その中でおすすめの壁材が、エコ・クィーンという珪藻土を主成分とした塗り壁材です。塗り壁材の雰囲気は写真では全く伝わらないのが残念。下の写真で、間接照明が少しだけ壁の「ムラ感」を浮き立たせているのがわかるでしょうか?
実際に体感すると部屋から受ける雰囲気が全然違うんですね。人間の感覚ってなかなか鋭いものです。
こういう自然素材系の塗り壁には調湿効果や、消臭効果がある、とメーカーの商品説明ではいろいろなうんちくが出ています。
それらを否定するつもりはないんですが、どちらかというと、塗り壁をおすすめする理由は、雰囲気がいいから、が一番の理由だったりします。
性能がいいこともありがたいことではありますが、塗り壁が持つ風合いから受ける居心地の良さは理屈ではうまく説明できないですし。
夜に間接照明が壁の微妙な凹凸を浮かび上がらせている感じは、なんとも言えない良い雰囲気だと思います。
メンテナンスが簡単にできる自然塗料
塗り壁以外には自然塗料で仕上げることが多いです。デュブロンという自然塗料はチョークとかオレンジオイルといった天然素材をつかった塗料です。
柑橘系の匂いがする、どろっとした塗料です。DIYで自分で塗装することもできたりします。ちょっと大変ですけど・・・。
ビニルクロスで仕上げるとコストは下がりますが、できるだけ自然の素材を使って仕上げたいという気持ちがどうしても強いんですよね。
あまりごり押しするのもいけませんが、やはりビニルクロスの仕上げよりも雰囲気がいい気がします。
汚れても上から簡単にることができるのもありがたいかったりしますね。主に天井や、塗り壁にしない壁面で施工することが多いです。
杉板の天井
私たちはよくリビング等の天井に杉板を貼ります。とても木の家感が出て感じがいいですね。できるだけ天井面に照明などの余計なものをつけないようにして木の良さを出したいですね。
ちなみに天井に照明がついていなくても、意外と壁に反射する光などで感じのいい雰囲気になります。
建具はすべて現場に合わせて建具職人がつくる
マンションリノベーションでは建具の枠や窓の枠にも木を使います。出入り口や廊下の幅などに合わせて細かく自在に調整できるのがいいですね。見た目も木の枠って部屋の雰囲気がいい感じです。
そういう木の枠には木の建具が似合います。よく使うのがシナ材。白っぽくて木目がおとなしく、すっきりとした印象なのでよく使います。
これとは別に框戸といって木枠を四角く組んで、中にポリカやガラスを入れて明かりを取り入れるタイプのものがあります。
上写真の正面が框戸。その奥からの明るい光を玄関内に入れるために半透明のポリカとしています。左手は玄関収納のシナ材の開き戸です。
照明の色がオレンジ系のため、茶色に見えますが、実際にはもっと白い感じですね。
下写真の右建具はチェリー材。濃い目の材種も感じがいいですね。正面の障子は3枚引込戸となっています。枠の見た目の太さを同じにしてすっきりとさせています(吉村障子といいます)。
コルクタイル
コルクタイルは主に脱衣室や洗面、トイレなどで使います。私たちが使うものとしては主に2種類。一つが表面にアクリル塗装がされたタイプのもの。コルク独特の風合いが多少なくなりますが、拭き掃除がしやすいのでトイレの床に使っています。
もう一つが炭化コルクのタイプ(下の写真)。こちらはコルク本来の素地が生かされていて、主に脱衣室でおすすめしています。
ひんやり感が少なく、裸足でもヒヤッとしにくく、ちょっとした水濡れくらいなら気にせずに利用できます。
濃い風合いも意外とアクセントになっていて、他の素材ではない良さがありますね。
素材をうまく組み合わせて木の家のような居心地のよい住まい
このような素材でつくられた住まいは、マンションとは思えない雰囲気になります。まるで木の家見たいです。
もちろん、こういう素材をただ使うだけではなくて、こまかな工事上の「おさまり」をすっきり見せる工夫だとか、見せ方によっては印象もずいぶんと変わります。
何でもかんでも使えばいい、というわけではなくて、コストを配慮しながら選定することも大事ですし、素材の特徴をふまえて使う場所を見極めることも大事ですね。
自然の素材は体感しないとその魅力はなかなかわかりません。なので、完成した物件ではできるだけ完成見学会を開催しています。
実物を見て、プランの工夫を見て、全体から感じる良さを知ってもらえると、その魅力がよりわかると思います。イベント情報でも案内していますので興味のある方はぜひ、参加してください。
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いつでも体感できれば良いのですが、なかなかタイミングが合わないこともありますし、開催時期も間が空くこともあります。
施工事例には様々な木のマンションリノベーションが掲載されていますので、雰囲気だけでも感じてもらったらと思います。
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なお事務所も自然素材を活かしたつくりとなっています。事務所なのでキッチンとか収納、プランというものの実例を見ることができるわけではないですが、昭和テイストな事務所ビルからはなかなか想像できない雰囲気ですから少しは参考になると思います。お気軽にどうぞ。