昭和区八事日赤 W邸マンションリノベーション
2020年3月竣工
物件概要/南東角/1978年築/70㎡

70㎡のこちらの住まい、実は事例集で紹介している八事日赤の家1と同じマンション。

部屋の真ん中に壊せないコンクリートの壁があったり、天井から垂れ下がる大きな梁があったりと難条件なのは同じでしたが、間口が広いことと、壁位置が少し違ったことで、洗面から脱衣へと抜ける動線が確保できています。

LDK空間と隣接する小上がりタタミのスペースがつながると広くてかなり開放的な空間になりますが、家具の配置などを想定しておかないと無駄に広いだけで使いにくくもなります。

そこで、据え置き型のTVボードと両側から使えるオープンシェルフを製作しました。

リビング近くにちょっとした収納があると、生活の細かなものを収納できるので、雑然とした感じが少なくなると思います。

こうした収納も造り付けにすることが多いんですが、今回のように置き型にすると、家族の状況や暮らし方の変化に合わせて調整できるので、より暮らしやすくカスタマイズしやすいのがいいところ。

壁と天井は白い珪藻土塗りなので、非常に明るくてより広がりを感じる雰囲気になってますね。

シンプルな住まいは多いんですが、シンプルにつくることを目的にしてしまうと、実際には暮らしにくいし、雑然としがちです。

こちらの住まいもシンプルな計画ですが、シンプルさを目的にしていないので、暮らしやすさには大きな違いがありますね。

開放的なリビング。テレビボード横の置き家具は子供用のおもちゃ入れに。

置き家具は配置を変えれば部屋の印象を変える事もできる。家具の横にソファを置き無印のラタン収納を入れれば、両側から出し入れもできる。

ダイニングには多目的カウンターを設置。コンパクトなダイニングスペースには  丸テーブルがいい感じ。

キッチン奥は洗面、脱衣室へと続き廊下につながる回遊動線。動線が便利だし  実際よりも広く感じられます。空気の循環がよくなるので温度差も生じにくい。

キッチンは造作カウンター。要望に応じて使い方や収納量をふまえて計画しています。収納カウンターと天井までの食器棚で収納量抜群です。

小上り畳は寝室としても利用。梁の側面には室内物干しを取付、部屋の雰囲気に合わせて木で造作。

就寝時にはロールスクリーンを下げて使用。

畳下は全て収納。リビング側は引出になっているので取り出しやすく、奥は畳をめくって使用。

子供部屋にはベッドを造作。ベッド下にはステンレスパイプを付けてクローゼットに。ロールスクリーンで隠せる様になっている。

真ん中に建具があり閉じれば2部屋に仕切る事ができる。ベッドと引き戸は比較的簡単に解体する事ができ、将来子供が独立したら広い洋室としても使える。

子供部屋の机。正面のポリカ入りの引き戸は玄関と繋がっている。

玄関から見た子供部屋のポリカ入り引き戸。窓からの光を取り入れ玄関も明るくなる。

玄関土間収納。幅は狭いが奥行きがあるので手前にベビーカ―も置け、意外と使いやすい。比較的コンパクな計画の収納。シューズクローク上はユニットバスの窓。風も抜けます。