緑区相生山 N邸マンションリノベーション
2019年6月竣工
物件概要/1995年築/70㎡
こちらの住まいは居場所がたくさんある住まいです。単純に広く作ることは可能でしたが、実際に暮らす際に居心地よく、機能性もいいことを踏まえたリノベーションです。
低い収納と床の段差でエリアを柔らかく区切るという方法で、開放的に個室的な使い方をするという矛盾をうまく調整することができました。
またマンションの場合、リビングにソファをおく際には壁に向かって設置することが多くなりますが、そうなると広い部屋にいても視線が広がらないので狭く感じやすくなります。
そこでソファをサッシの前に置き、室内全体を広く見渡せるような心地のいい居場所を計画しました。
ただ、サッシの前にソファが置いてあると違和感がでるので、可動式の格子戸を設けました。
格子戸のよいところは採光も得ながら、壁的な要素があるところ。これによりソファを設置しても違和感がなくなり、また格子の雰囲気も木の住まいの感じを強く出してくれて非常に感じのいい空間になりました。
南面からの全景。今回はLDK+小上がりスペースの空間を低い仕切りと小さな段差で区画をしています。
このショットはソファーからの視線をイメージしたもの。写真右はTVボードで、その裏が小上がり畳スペース。
ダイニング側から見た小上がり畳スペースとリビング。TVが低くなっているので、小上がり畳スペースに個室感がでつつ、狭さは感じにくくなります。
リビングのソファは南面のサッシの前に設置される(写真右奥のあたり)。視線が壁に向かわないので広く感じます。サッシの前にソファが来ることの違和感は格子で解消します(以下の写真参照)。
南面には標準の内窓+ハニカムサーモスクリーンでしっかりと断熱補強。夏冬の快適性が大きく変わります。向かって左側の格子戸の前にソファを置きます。
ソファの前の格子戸は引き戸になっているので動かすことが可能なので掃除も問題なくできます。格子戸なので光をいれつつ、ソファがサッシの前にある違和感をなくす効果もあります。
ハニカムスクリーンを開けるとこんな感じです。
小上がり畳は寝室も兼用。
通路面は引出となっています。
小上がり畳スペースは和紙畳の色を変えてみました。畳の左手奥はWCLOへとつながっています。
畳下はすべて収納スペース。押入の床内も同じように収納にして無駄なく活用します。小上がりは収納スペースをうまく増やす手法の一つ。
洗面脱衣からみたキッチンスペース。動線がいいということもありますが、つながることで温度差も小さくなります。キッチン周りの収納は使い方に合わせてオープンにしたり、引出にしたりとオーナーさんに合わせて計画します。
狭いマンションの玄関には土間スペースを設けたい。左手の窓はユニットバスの窓。南からの風がここまで抜けるように計画しているので非常に風通しがいい。
正面には玄関を区画するポリカ入り引き戸。土間スペースの明かりが廊下をほんのりと明るくしてくれます。
引き戸を開放した状態。建具がないと常にこの状態となるため、冬はかなり寒くなる。マンションでは玄関を区画することも大事です。
廊下から洗面脱衣室への動線があり、さらにキッチンへとつながる回遊動線。
北側の個室はWCLO-小上がり畳―リビングとつながる。風も抜けるし動線もよい。
バルコニーにはすのこタイプで簡単に動かせるウッドデッキ。