木と自然素材を使ったマンションリノベーションはプランの自由度が高いんです。

私たちの会社にお問合せしていただくお客様に「どうやってうちの会社を知ったんですか?」と伺うと、「マンションリノベーション」「木」とか「自然素材」というキーワードで探す方が多いです。

他の会社ではあんまりそういう事例が多くないのかもしれません。というのも私たちの会社って小規模ですから、大々的にCMをすることもできません。ホームページに木のリノベーションの情報を掲載することくらいが精一杯なんですね。だからネットで調べるくらいしか私たちのホームページにはたどり着かないはずです(汗)。

で、ネットで調べても木の雰囲気とか自然素材の雰囲気が感じられるマンションリノベーションの事例というのがたぶんあんまりでてこないんでしょうね。関東、関西圏はよくわかりませんが、東海圏だと少ないかも。

試しに「マンションリノベーション 名古屋 木」って検索したら一番上に表示されました。木のマンションリノベーションをする会社として検索エンジンに評価されているみたいですね(笑)。

もちろん、私たちの会社だけが木に代表される自然素材を使ったリノベーションをしているわけではないんですが、他社さんの事例を見ても自然素材のマンションリノベーションというのは多数派ではない感じです。統計取ってるわけではないので感覚ですけども。

で、私たちのこれまでの施工事例を見ると、良くも悪くも木の質感が強いリノベーションばっかりなんですねぇ。

ちなみに施工例こちらです→「施工事例一覧」

じゃあ、木以外の建材を使ってリノベーションってできるんだろうか?と考えると、あらためて、私たちには無理だなぁ・・・と思います。

木以外の建材というのは床であれば表面に化粧シートを貼った合板だったり、建具であれば建材メーカーさんがつくる表面がツルツルしたシートを貼ったものだったり、壁であればビニルクロスであったりするわけです。

私たちがこういう商品を使わない理由として、一番にくるのが「好み」の問題です。単純にいいなぁ、って思わないだけなんです。

ただそれだけではなくて、実際にマンションリノベーションのプラン作成の自由度にも関わってくるからでもあるんです。かなり細かな寸法で建具のサイズや枠のサイズを決めるんですね。

例えば一般的な間仕切り壁は、下地の木材の厚みが40mmで、壁下地として貼るプラスターボードの厚みが片側12.5mmなので壁の厚みは65mmとなります。これに巾木という壁の下につける厚み7mmの見切り材があるのでそれも含めると79mmになります。

両側で1mmずつ大きくして巾木が「こぼれない」ようにするので枠の厚みは81mmとしています。ちょっと何言ってるかわかんないですかね(汗)。

まあ、細かい理解はともかく、壁に貼る材料の厚みが変わったり、他の枠との関係で20mm大きくなったり小さくなったりと、場所によって変わります。

壁の厚み、建具の納まり等により、木の枠の幅はミリ単位で何種類か必要になる。

過去の事例の枠幅の種類を見てみると43mm、50mm、60mm、64mm、90mm・・・などといくつも種類があります。

これをシート張りの枠材で準備することは無理なんですね。また仮にあったとしても、枠と枠がぶつかる部分の見え方がきれいにはならないんです。

例えば、下の写真は洗面脱衣室前の写真なのですが、建具右側の枠は壁の出と建具枠と見た目をすっきりさせるという意味もあって、60mm、80mm、139mmという幅のタテ枠と鴨居と言われる幅121mmの横枠が組み合わさっています。これをシート張りの建材でつくることは無理なんですね。

きれいに見えるように枠のサイズを計画できるのが木の枠の良いところ。

そもそもこのように、変に細かな設計を計画せず、既製品だけでできるように計画する方法もあります。でもそれだとマンションという限られた空間を最大限に効率的に使うためのプランニングには限度が出てくるんです。

枠の厚みがプランに影響が出るの???って思うかもしれませんが、出るんですね。かなりマニアックな世界に入っていきますが、参考までに下に枠図の一部を掲載しておきます。

こんな感じで「ごちゃごちゃ」するんですが、これによって見た目はすっきりするし、比較的自由に奥行や建具の幅などを決定できるんです。なのでプランの自由度という点でも「木を使うこと」は手放せないというわけなんですね。

正直、設計する方はかなり大変なんですが(苦笑)出来上がりの良さ、プランの良さを考えるところは絶対に手を抜けないんです。

いいものをつくるには手間を惜しんではいけないといういい例ですね!