マンションリノベーションの差別化といわれてもなぁ・・・
先日、リフォーム産業新聞社さんからの取材を受けました。リフォーム業界の業者向けの新聞なので一般の方にはほとんど馴染みがないと思います。
そういう意味では取材を受けても宣伝広告的な効果はほぼないんですが(苦笑)、どうして私たちのような小さな会社を取材したいのかな?と思い、受けることにしました。
記事にも書いてあるんですが、取材の理由は「室内の木質化と性能向上によって他社との差別化を図っている」ことが興味深かったみたいです。
ご相談に来ていただいた方に「どうしてうちに相談に来たのですか?」ということを伺うことがあるんですが、その際「木をたくさん使った施工例のようなマンションリノベーション、リフォームをしたような会社がよそにはないんです」という感じのことをおっしゃる方は多いので、確かに他社さんとはそういう点で差別化になってはいるみたい。
でもマンションでも床に本当の木を使うリノベーション例は他社さんでもありますし、カフェ風のリノベーションなんかだと建具もアンティークな感じだったりかわいらしい感じだったりする木製ドアを使っている事例もあるので、決してうちだけが特別なわけでもないと思うんですけれどねぇ・・・。
まあ、全体の雰囲気や方向性とか受ける感じが少々違うとは思います。あ、その違いが差別化なのか・・・(苦笑)。
私たちとしては差別化のために木を使っているというわけではなくて、純粋に自分たちが好ましいと思う素材を使っているというのが本当のところなんですけどね。
で、たいていの場合は自然の素材がもつ風合い、雰囲気が好きなので、自然と木を使うことが多くなってくるのですが、その他にも「手仕事感」を感じる素材を好んで採用します。
例えばキッチンの壁って表面がツルんとしていて清掃性に優れた「キッチンパネル」を使うことが多いと思うんですが、私たちは基本的にはタイルを張ります。
タイルだってキッチンパネルと同じく工業製品ではあるんですが、微妙に表情も違っていたりするし、表情が優しいとでもいえばいいのか、好ましく思うんですよねぇ・・・。ちなみにオーナーさんの住まいを点検した際にはタイルでもそんなに汚れは気にならないです。というか、皆さんきれいに使ってらっしゃいましたね。
さてさて、記事にはもう一つの差別化として「性能向上」というキーワードもあります。
ここでいう性能とは、主に「断熱性能」ですね。中古マンションって断熱材が薄く吹き付けてあるか、もしくは古い物件は断熱材が何もない、という場合も珍しくありません(ちなみに今の新築マンションは断熱材の吹付けは当然してますが、その厚さは20年くらい前の物件と比較してもそれほど変わってなくて、マンションの断熱性能ってホント、残念な状態だったりします・・・)。
私たちの場合は基本的には断熱材を改めて施工します。しかもかなり性能がよい断熱材を使うこともあって、新築時よりも格段に性能が向上します。細かな話は抜きにしますが、一般的なマンションだと、結果としてエアコン一台でだいたい冷暖房ができてしまいます。家の中で大きな温度差がない住まいになるので非常に快適ですね。
そのためにはプラン的な工夫も必要なのですが、それはさておき、なんか記事を読んで引っかかるんだよなぁ・・・という気持ちがふつふつとでてきて、それは何なんだろうか?と考えてました。で、わかりました。
わたしたち「他社さんと差別化するために」木質化や性能向上を大事にしているわけではないんだよなぁ、ということです。
豊かに、快適に暮らせる良い環境を提供したい、という想いがそもそもの大前提にあるわけで、そのためにはどういうリノベーションをしたらいいんだろうか、すべきなのだろうか、ということが出発点なんですね。
差別化すれば売れるからつくる、ということが悪いわけではないと思いますが、なんか、そういう「売る」という視点が出発点で家づくりを考えることがしっくりこない・・・。
結果として他社さんと差別化になっているかもしれませんが、正直、性能向上が差別化になっているとしたら、レベルが低いんです(ちょっと今日は毒を吐いてる・・・ご容赦くださいませ・・・)。
リノベーションをしても相変わらず結露でべたべたになったり、温度差で廊下が寒い、という住まいはプロとしてどうなんだろうか、専門家なのに住まいづくりの勉強とかしないのかしら?と思ってしまいます。
いや、もちろん予算のこともあるので完璧は目指せません。でも少なくとも室内をすべて解体するようなリノベーションなら断熱補強をしてもそんなに大きな費用は掛からないはずなんです。なによりそういうことって一般の方はやはり知らないこともおおいですから、提案したり検討する過程があって、その上で行っていないのであればまだわかるんですが・・・。
断熱性能以外の音についても同様のことが言えるんですが、長くなりすぎてしまったのでもう、このくらいでやめておこう(苦笑)・・・。
愛知県や名古屋市などの東海地方でのマンションリノベーションの認知度や広まりは関東圏や関西圏よりは遅れていることは知っていたのですが、記者さんからは現在では東海地方でも随分とマンションリノベーションの認知度も上がってきていて、ずいぶん広まっている、ということを伺いました。それは同業者さんの数や売上高にも出てきているようです。
であれば中古マンションの基本的な現状の知識や、本質的なマンションリノベーションは何が大事なのか、ということを専門業者にはもっと知ってほしいと思います。
偉そうに専門業者にも知ってほしい、なんて言ってるんですけど、だって、某大手業者のサイトに掲載されている施工事例を見ると「これちゃんとお客さんに説明してる?」というツッコミができてしまうような写真が掲載されているんです。しかもその写真はリノベーションの勉強会開催の告知のイメージ写真として使っているという・・・。
これはちょっとどうなんだろうか・・・と思ってしまうわけです。私が毒を吐くのも無理はないのです(苦笑)。
ということで、こんな状況をみると、勉強会を開催せねば!と思うわけです。前回開催が3/10で、3か月以上も経ってしまいました。本当は3か月に1回くらいのペースでは勉強会を開催したいんですけど、なかなか開催するだけの余力がとれず、申し訳ない限りです・・・。
忙しいことは本当にありがたいことなのですが、やはり、ここは無理やりにでも予定を決めて開催したい!
前回は定員オーバーだったので早々に申し込みの締め切りをしてしまいました。なので今回は前回の反省を踏まえて、名古屋駅か栄で会議室を借りて開催します!
開催時期は・・・すみません、偉そうにいいつつ、たぶん、9月ごろです・・・。
内容は前回行った【超実践的】リノベーション向け中古マンションの選び方勉強会の内容をベースに、今回お伝えしている性能向上についての内容も補足しようと思ってます。リノベーションの基本はやはり押さえておいて欲しいですからね。・・・でも1.5時間くらいの予定なので時間足りるかな(汗)・・・。2時間くらいにしようかな・・・。
・・・というわけで近々イベント案内をする予定ですのでこうご期待~!