名古屋のマンションリノベーション・リフォーム会社の評判からわかるコト

たぶん、マンションリノベーションとかマンションリフォームを考えている方はそういう会社の評判が気になると思うんです。

でもネットで簡単に出てくる評判って基本的に規模が大きめの会社なんですね。その他の大多数の小規模な会社はそもそも検索に引っ掛かりません(泣)・・・。

それに最初の方に出てくる「評判のリノベーション会社まとめ」的なサイトって広告宣伝の一環でつくられていると思われます。だってそういう営業の誘いがありましたから(笑)。

とはいえ、仕事柄「実際に名古屋のマンションリノベーション・リフォームをする会社の評判ってどうなっているんだろうか?」という疑問もあります。

やはり一般の方の評価は参考になるし、他社さんの評価が高ければどんなマンションリノベーションをしているのか?勉強することも大事だよなぁ、と思ったからです。

そこでそういうサイトをいろいろ見てました。ただ先ほども言ったように、まとめサイトなんかは宣伝目的でつくられていることもあります(たいていは1位もしくは上位の会社がつくってたりするようです)。

なのでできるだけ客観的なものがいい。となるとやはり不特定多数の人が書き込む掲示板的なタイプのものになります。ネガティブキャンペーン的なものもあるでしょうから信じ込むのは危険ですが、一つの指標としては参考になるかと。

いろいろ探していると、マンションコミュニティというマンション購入検討者を応援する口コミ掲示板サイトがみつかりました。

その中で「名古屋のマンションリフォーム会社で、良い会社があれば教えて下さい。」という内容の掲示板がありまして、実際の方のコメントがありました。そこで気になったのは以下の内容です(リンク切れが生じてもいいように一部抜粋しておきます)。

「・・・一生住めるとは思えません。建築面でいうと知識も乏しいので風の流れや強度のこと、動線などが考えられておらず、半年経った今ではカビや遮音性など日常生活に支障をきたす問題が多く出てきているので、やはり見た目のことしか考えていないんだと思います。・・・」

ここでわかることは、見た目ではわかりにくい要素って暮らしてからはじめてわかる、ということです。見た目はもちろん大事なことなんですが、見えにくい部分の問題をいかに解消するかの方が大事なんですね。

でも、ここで挙げられている、カビが生じない対策をするということや、暑さ寒さで不快になりにくくする、使いやすい動線を考慮する、といった見た目からではわかりにくい部分については重視されない傾向が強いんです。

先のコメントは戸建てのリノベーションでの感想でしたが、マンションであってももちろん同じ。特にマンションの場合は写真を見るだけでもわかる場合があるんですが、さすがに具体的な写真を掲載するわけにはいかないので、ここでは一つだけ注意して欲しい点をお伝えします。

それは「コンクリートむき出しのマンションリノベーション」には要注意ということです。

コンクリートをむき出しにしていても大丈夫な場合もあるんですが、外部に面する部分の壁がコンクリートのままだと、結露の原因になるんです。このことはちゃんと理解しておくことが大事です。

素人だから難しい、わからない、という方もいるかもしれません。でも、マンションリノベーションは大きな買い物になります。わからないから知らない、という姿勢ではなく、わからないことはちゃんと理解する、ということを心掛けてほしいんですね。

参考までに「マンションは結露してカビやすい」を見てもらうともう少し詳しくわかると思います。ぜひ、じっくりと読んで内容を理解してください。

リフォーム・リノベーションを依頼する時に、どんな会社なら安心できるか?と探す際には、こういう掲示板や会社のホームページ等によると思いますが、評判が掲載されるのは比較的大きな会社で、小さな会社はそもそも見つけてもらうのが大変(N.style建築工房もそうですね・・・)。

比較的大きな会社、有名な会社だと何だか安心できる感じがしますが、でもだからといってちゃんとした工事をしているわけではないです。じゃあ小さい会社の方が安心、ということでもありません。正直、単純に会社規模の大小だけで判断できるものではないんですよね。

20年以上、住宅分野の建築業界にいて思うのは、規模ではなく、その会社の姿勢と関わる人物だよなぁ、ということです。

大きな会社であろうが、小さな会社であろうが、いい工事もあれば残念な工事もあります。その原因は大きく二つ。

一つは関わる人の基本能力の問題です。その人の経験値が足りない、知識が足りない、会社のサポートが足りなかったり、ということです。

もう一つは過剰な仕事量を与えられて処理できなくて問題が生じる場合。これは建築業界ではいつもついて回る問題だと思いますが、質の高い仕事ができる体制・環境を整えるようにするのは大きな会社でも小さな会社でも同じように大事なことです。

このことを判断するにはネットで調べるだけでは、対象となる会社数も、情報の信頼度も不十分です。だからやはり気になる会社があればまずは一度話を聞きに行くのがいいでしょうね(いきなり相談しに行くのはちょっと・・・という方もいると思うので、私たちはガイドブックを送っています)。

そこで質問をするといいです。

「どんな体制で打合せや工事をしているの?」
「スタッフの経験はどれくらい?教育はどうしているの?」

これ以外にも予算とか、工事の内容という一般的なことは当然ありますが、意外と会社の体制とスタッフの経験と能力については皆さん聞くことはあまりないと思うので、確認してみるといいのではないでしょうか。

リフォーム・リノベーション業界でスタッフの教育・支援が手厚いという会社って少ないんですね。忙しい会社が多くてそこまで手が回らないのが実情かと・・・。

なのでそういう中でも社内勉強会を開催している、外部のセミナーに参加する、ということに取り組んでいるなら信頼できると思います。

というのも、以前、大阪にある日本建築総合試験所さんが開催する「内装リフォーム工事における床衝撃音遮断性能確保の留意点」という業者向けの勉強会に参加したことがあるのですが、その時にリフォームの音問題が生じる理由の一つに、そもそもそういう問題があるということが知られていない、という話がありました。なのでこういった勉強会に参加する会社自体がまだまだかなり少ないのでしょう。

リフォーム・リノベーションに関しての専門知識を積極的に学ぶという姿勢が、施工業者、設計者共に希薄なんですよね(ちなみのこの勉強会の参加費は無料であるにもかかわらずです)。

まだまだマンションリフォーム・リノベーションという業界は歴史も浅く、関わる人材の育成という点でも知識量と経験という点でも課題が多い業界です。

とくに住戸内を全て解体するマンションリノベーションの場合は、見た目のインパクトを重視する「だけ」では絶対にダメです。施工写真でかっこいい!と思って単純に選ぶと、暮らし始めてから様々な暮らしにくさに直面する可能性が高いんです。

音の問題、結露の問題、収納の不足、暮らしにくい空間など中古マンションには多くの暮らしにくさがある、ということをどれだけ理解しているか?そういう様々なマンションの状況を踏まえていかに暮らしやすいリノベーションプランをつくることができるか?

その会社の本当の力量によって出来上がる住まいの質は大きく変わってきます。新築と違って、リノベーションは現場の状況に合わせての対応力も問われます。正しい知識をもち、経験のある会社であることが大事だと強く思います。

参考:「解体したら不具合が見つかった場合はどうなるの?」