昭和区八事日赤 M邸マンションリノベーション
2018年4月竣工
物件概要/1978年築/61㎡
61㎡とコンパクトなこちらの住まいは、物件購入前に同行して購入すべきかどうかの相談を頂きました。
築年数の古い案件ではよくありがちな、天井から垂れ下がる大きな梁があったり、部屋の真ん中に壊せないコンクリートの壁があったりして、通常のリノベーション計画では敬遠されがちな物件条件だったかもしれません。
そこでラフ案を提示してリノベーションでどんな住まいができるのかの「可能性」を提案させていただきました。提案したプランから、コンパクトながらこの住まいが持つポテンシャルを感じて頂けたと思います。
ある意味リノベーションの魅力と可能性を一番体現している物件と言えますね。
この住まいのポイントの一つがリビングの使い方です。70センチ角の畳ユニットを9個並べて2.1m角の小上がり畳スペースをリビングに設けています。
ソファやテレビ配置、室内干しや子供のことを考慮した暮らしをイメージすると、この小上がりタタミユニットがない方が暮らしにくくなるということがわかります。
壊せない壁は収納でうまく活用しました。またキッチンはぐるりと動ける動線も確保。やはりキッチンは二方向動線がいいですね。
北側の個室エリアは将来の子供室もイメージしつつ、なるべく通風性が確保できるようにベッド+通風障子という組み合わせとしました。コンパクトながらも土間スペースもあり、可能な限り暮らしやすく計画しています。
様々な工夫と配慮で魅力にあふれた素敵な住まいになっています。
生活の中心となるLDK。コンパクトでありながら居場所がたくさんある。収納計画がうまくできているのでモノがあふれずにスッキリとしている。
小さなお子さんがいるので玩具などがあるが、畳ユニットの上にコンパクトに片付いている。
タタミユニットには引出しがあり、生活に関わる小物などよく使うものなどを収納できる。堀こたつ的に使える机が収納されており、来客人数が多い際に引出して使うことができる。
コンパクトなダイニングスペースには丸テーブルが重宝します。照明はペンダントタイプがいいですね。
明るい窓に向かってゆったり過ごす。心地のいい椅子とテーブルはリノベーション後の住まいでも重要な家具。
ダイニングからみたリビング。ソファでゆったりしてもタタミユニットでゴロンと寝転んでもいい。居心地のいい場所がたくさんあって狭さを感じない。
梁と天井にある木は実は室内物干し用のバーです。ステンレス物干しでは目立つのでアクセントも兼ねて。タタミユニットがあるので天井でも手が届きます。
キッチンは奥様のご要望で背面に家電品を置かないような計画。基本的には引き戸のある収納内(写真右手前部)にかくし、使用時に開ける。
北側の寝室。上部は隣室のベッドにつながり、下部はこの部屋の布団を収納する。
3枚戸なので開口幅が大きく開放的。収納部は布団の出し入れがしやすくなるメリットがある。
スッキリとしつつも必要な収納スペースを確保した洗面脱衣。PSを最小限で区画して、余ったスペースにも棚を設けて収納に活用している(写真奥)。
北側洋室に面したコンパクトな隣室のベッドスペース。将来の子供部屋。落下防止の木の板はアクセントにも服を掛けるにも使える。
ベッドの横は壊せないコンクリート壁一面を本棚に。将来、奥にデスクを設置予定。
玄関横に細長く土間収納。土間スペースがあるとベビーカーなども置けて便利。幅が狭いのでナナメに靴棚を計画している。収納量は少なめだが、必要な靴の数などを踏まえて計画している。