マンション購入の際の陽当たりは要チェックです！

先日「この中古マンション物件はどうでしょう？」というご相談をいただきました。その物件のだいたいの間取りが下の図です。約75㎡ほどの大きさで、地下鉄からも近く、まずまずの条件でした。

本当はネットの不動産情報にリンクしたかったのですが、物件の欠点を指摘するのであえてラフな手書きの図です（汗）。

リノベーションで間取り自体は全て壊してしまうので基本的にはあまり関係ありませんが、サンテラスがあるのが少々変わっているところでしょうか。パイプスペースの位置（図でバツになっているところ）も壁よりになっているのでプランの邪魔になりにくいのはいいところ。

ただ方位を見てもらうと、この物件、というか、このマンションの向きがあまりよくない。LDKのバルコニーがある面が南西向きになっているんですね。UB、洗面、WCのある側が南（正確に言えば南東面）に該当するということです。

この状態では、冬の日射はおそらく14：00位からしか入ってきません。マンションは気密性も高く、上下左右が住戸に囲まれていれば戸建てほど寒くはないのですが、それでも冬にほとんど日射が入らないのは良い環境とは言い難いところ。

それに洗濯物もいい状態では干せません。せっかくのサンテラスも午前中は完全に日陰になるためその効果も半減します。断熱性を高めるなどの対策はあるものの、う～ん・・・積極的にこの物件はオススメしにくいなぁ・・・。

参考までに、太陽の動きが分かりにくい人は下図の季節による太陽の動きを見てください。単純に東から上って西に沈む、といっても季節によってこんなに違うんですね。これはマンションに限らず、戸建て住宅でもちゃんと知っておかないと暮らし始めてから「全然日射が入ってこない！」なんてことにもなりますから要注意です。

引用元：http://www.nipponhyojun.co.jp/search/rika/ri_17/

 

今回のような日射条件の善し悪しはその物件を評価する上では大きなポイントではありますが、その人の条件によって重要度が変わりますから難しいところ。

例えば探している地域ではなかなか物件が出てこなかったり、日射条件以外のすべてがだいたい希望を満たしているという場合、この物件を購入するという選択肢がその人にとっては良い選択であるかもしれません。

日射条件は多くの人にとっては重視したい大きな要素でもあるのでこの物件のマイナスポイントは大きいと思いますが、もしそのマイナスを上回るメリットを感じれば、購入するという選択もありなんですよね。

今回、この物件はどうなんでしょう？という相談をいただいた時には上記のような内容をお伝えしました。その結果「この物件は見送る」ということになりました。

個人的にも、この物件の条件（駅に近い、価格など）に強い価値を持っていないかぎりはおススメしにくいなぁ、と思っていたのでお客さんはよい判断をされたと思いましたね。

いい方が悪いのですが、私たちの立場であれば中古マンション物件がないことにははじまりませんから、基本的に物件のいいことだけを説明して、とにかく購入させてしまえばいいわけです。

でもそんなことをしても暮らし始めてからこんな条件なら買わなければよかった、という不満につながってしまいます。リノベーションをする目的は心地よく暮らすことであって、リノベーションすること自体が目的化してしまっては最終的に私たちは必要とされなくなっていくでしょう。

そういう意味でも、マンションリノベーションをオススメしている身としては、その物件のもつ状況を正しく評価することが大事だなぁ、と思います。