リノベーション会社の選び方はどうしたらいい?
こんにちは!設計の仲田です。
「マンションリノベーションをしたいけれど、まず最初はどこに行けばいいの?」
「自分で物件を選んでから頼めばいいの?」
会社に相談に来られる多くの方がそんな風に悩んでいらっしゃいました。
いきなり相談に行くのはなかなかハードルも高いと思います。
ここでは一般的な依頼先3つのパターンと、依頼する前の4つのポイントについてお伝えします。
依頼先の3つのパターン
中古マンションを購入してからリノベーションをする場合、下記の3つのパターンが主なものになります。
不動産屋さんがリノベーションをする会社でもあって、物件探しからリノベーションまでを一つの窓口でフルサポートするパターンです。
<工務店型>
自分で中古物件を探して購入後、リノベーションは工務店に依頼するパターンです。
<設計事務所型>
自分で中古物件を探して購入後、リノベーションは設計事務所に依頼し、施工は工務店に依頼するパターンです。
ワンストップ型は窓口が一つなので面倒ではないのがいい点です。反対に工務店型も設計事務所型も、不動産購入、工事、融資という様々なステップを自分で手配しなければなりません。
となると面倒な手続きを自分で手配しなくてもいいワンストップ型の方が良さそうな気がしますね。ただ実はそういった手続きってそんなに複雑でもないですし、行う内容自体は大きく変わるわけではありません。
そのためさまざまなステップに対してのアドバイスやフォローをしてくれるところであれば、それほど面倒でも手間が余計にかかるわけでもないです。
中古物件の購入も、リノベーションも、大きな費用が掛かるだけに、全てを業者まかせにせず、自分自身で主体的に動く方が中古物件との出会いも多くなりますし、リノベーション会社の選択肢も増えると思います。
なお、ワンストップ型の場合、自社が仲介するわけなので、中古物件のデメリットを過小評価したりしてなるべく早く売ろう、となりかねない面があります。
中古物件売買に関して利害関係がない工務店型、設計事務所型の場合は、中古物件のデメリットも含めて正しく評価しやすいと思いますが、早く物件を購入してもらって工事につなげたい、という思惑が働けば、同様にデメリットを過小評価することもあるかもしれません。
結局のところどのパターンであってもその物件を正しく評価するかどうかは、その会社が誠実であるかどうかによります。
説明内容にちゃんとした根拠があるか、進め方はどうか、経験は豊富か、施工事例はどうか、担当者の対応など、様々な面から判断することになります。
そうした中でもおさえておきたい具体的な4つのポイントについてお伝えします。
依頼する前に大事な4つのポイント
リノベーション会社の決め手は人によっても幅がありますが、少なくとも下記4つのポイントについては最低限、確認しておくことが大事だと考えます。
② どの金融機関でお金を借りるか?
③ 中古物件がリノベーション向きか?
④ リノベーションの内容はどうか?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
① 全体予算の設定と把握
物件を検討する前に必要なことは、予算がいくらなのか?です。これが分かっていないと具体的なことが何も進められません。では実際にどんな費用がかかるのかというと、以下の4つの項目になります。
A:「中古マンションの購入費」
B:「購入に伴う仲介手数料と登記などの諸経費」
C:「金融機関から融資を受ける際の手数料などの諸経費」
D:「リノベーション費用」
以上が主な項目です。いろいろと掛かりますが、毎月の返済額がいくらなら無理がないかをまずは設定します。その際、管理費、修繕積立金、駐車場代と毎月かかる3つの費用も含めて考えることが大事です。
毎月返済額が設定できれば、借入期間と仮の金利設定をすれば借入金額がわかります(金利は仮に1%程度で設定していることが多いです)。
これに自己資金を加えたものが、用意できる総予算となり、そこからA~Dそれぞれに必要となる予算を振り分けます。これで物件購入費とリノベーション費用が具体的に見えてきます。
ただし、物件の大きさや物件状況によってリノベーションの費用は変わりますから、ある程度予算には幅が出てきます。
この予算の設定を提示してくれなければ具体的な物件選びが進みません。リノベーション費用は会社によって内容も金額も違うので、この提示がない会社では常に予算が足りるのか足りないのかの不安が付きまとうことになります。
② どの金融機関でお金を借りるか?
これは直接リノベーションをする会社とは関係ないのですが、初めて大きなお金を借りる場合、どんなステップで進んでいくのかよくわからない方も多いので、アドバイスや説明が欲しいところだと思います。
流れ以外にも、金利条件が他の金融機関と比べてどうなのか?他と比較してどうなのか?などいろいろと検討して判断する必要があります。
また借入金は工事の支払い時期とも関連します。例えば工事完了後に借入金が融資される、という条件の場合、多くのリノベーション会社にとっては工事が完了するまで工事費や様々な経費は自社が負担することになります。
これは物件が多いリノベーション会社ほど負担が大きくなりますから、このような場合でも対応が可能なのかどうか対処も含めて調整が必要になってきます。
さらに、融資が可能かどうかの審査には見積書や図面など必要な書類もあり、そういった金融機関とのやりとりも含めて対応が必要なため、ワンストップ型ではない場合、リノベーション会社がちゃんとフォローできるかどうかは確認が必要です。
自分が理解できるように説明をしてくれるかどうか?で判断すればいいと思います。
③ 中古物件がリノベーション向きか?
中古物件がリノベーション向きかどうか一般の方にはわかりにくいところです。そのためリノベーション会社による物件の事前確認が大事になってきます。
知識と経験がある会社であれば、その物件をリノベーションする際の注意点、懸念点の概要をその場で説明できます。
これができないリノベーション会社ではリノベーション工事でトラブルが生じたり、工事後の欠陥、不具合の発生にもつながってきます。
なおN.style建築工房では中古マンションの購入検討時には同行支援をしています。「安心して中古マンションを購入したい方へ」を参照ください。
④ リノベーションの内容はどうか?
リノベーションの内容はその会社の個性と力量により、非常に幅がありますが、注意しておきたいのは、大掛かりなリノベーションの場合、様々な知識と経験が必要だということです。一般的なリフォームとは全然違うということをちゃんと理解しているかどうかがポイントになります。
例えば一般的な街の工務店ができるかというと、知識と経験がなければかなり難しい面があります。「一戸建ての家の大掛かりなリフォームができるから大丈夫」という会社もあるかもしれません。
でもマンションリノベーションの場合、戸建てのリノベーションの感覚とは違う部分での配慮・工事の仕方が必要で、技術的には十分対応できるのですが、戸建て感覚で工事をするとトラブルの原因にもなります。
これは設計事務所に依頼する場合も同様です。マンションの特性を知っていて、それを踏まえた設計をする必要があるわけですが、あまり計画したことがない場合、設計がうまくいかない、あるいは考慮しておくべき設計ができないことでトラブルになる、という可能性もでてきます。
どうしてこういうことをお伝えしているかというと、リノベーション後の事例写真だけではその会社の本当の技術力と知識と経験がわからないからです。
中古マンションには必ず特有の欠点があります。主な欠点は下記の4つです(詳しくは各リンクを参照ください)。
・窓も壁も結露してカビやすい!
・床の耐久性に難が・・・
・暮らしにくいマンションの間取り
・マンションが寒い理由をしっていますか?
これらの欠点を知識として理解し、それを改善する計画を提案することがリノベーションには必要です。そしてそれを現場でちゃんと管理していることも重要です。
どこに依頼するとしてもこの点は必ず抑えて欲しいと思います。
N.style建築工房ではこうした内容をまとめた「マンションリノベーションの基本がわかるガイドブック」を進呈しています。リノベーションプランのビフォーアフターなども掲載してあって非常に参考になります。
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