マンションリノベーションの費用はどれくらいなのでしょう?

マンションリノベーションの工事費用は物件の特徴や工事内容によっても違うので、単純にいくらです、とは説明がしにくい面があります。

例えば私たちの場合、マンションの断熱性能はあまり高くないので断熱補強工事をすることが多いのですが、角部屋や最上階などは断熱する施工面積が中間階に比べると増えるのでその分、コストが上がります。

またマンションの窓はほとんどがアルミサッシで断熱性能が貧弱なので内窓の設置もするのですが、数が多いと、その分工事金額は増えます。

仕上げが壁紙なのか、塗装なのか、塗り壁なのか、によっても差が出ますし、建具の数の大小、造作家具の有無などによっても工事費に差が出てきます。

このように仮に面積が同じであっても、物件の状況や仕様によって工事費にはある程度の幅が出てきます。

とはいえ全くわからないでは困ってしまいますよね。

 

2021年くらいからウッドショックなど様々な社会状況により、建材費や設備機器などは軒並み上昇しました。解体処分費や工事費なども上昇していて、以前よりもコストがかかっている状況です。

2023年11月の時点では、おおよそ25万円/㎡程度とお伝えしています。70㎡であれば1750万円ほどが一つの目安となります。

もちろん、ご要望によっても変わってきますし、最上階や角部屋などの物件ですと、断熱補強工事費が増えますのでその分、予算も増えます。詳しくはお問い合わせを頂ければと思います。

 

施工会社によって工事の内容と仕様には当然幅があると思います。

例えば500万円以下の工事の場合、模様替えや設備の交換といった一般的なリフォーム工事の内容だと思います。

1000万円くらいだと間取りの一部変更なども伴う工事になると思いますが、マンションがもつ欠点までは解決しきれていない工事になると思います。

【参考】「リフォームでは解決できないマンションの欠点」

 

ちなみに、私たちのリノベーション工事の内容はだいたい以下のような内容を標準として計画をしています。

・室内は全て撤去してスケルトンにする
・給排水管は全てやり変える
・床は乾式二重床工法で下地をつくる
・外壁の壁は新しく断熱補強工事をする
・既存サッシの内側に樹脂サッシを設置する
・断熱ブラインドを設置する
・キッチン、洗面は造作にて製作する
・床は30mm厚。杉の赤勝ち幅広板を使う
・壁は自然素材の塗り壁又は自然塗料
・窓枠、建具枠は米栂材
・建具は現場に合わせて全て製作

 

・・・などといったところですが、仕様を羅列してもなかなかピンとこないかもしれませんね。

上記を標準工事として提案しているのは、やはりマンション暮らしをする上での不便さ、不快感を解決したいからです。

とくにマンションリノベーションの場合は隣戸への音の対策や、素材の耐久性、暑さ寒さへの対策という点に対しての配慮が非常に少ないように思います。

見た目も大事なのですが、暮らし方、住まいの利用の仕方を時の経過も踏まえて考慮したプランであることと、目に見えない部分への配慮(防音と暑さ寒さ)ができていることが、リノベーションでは本当に、大事なことなのです。

工事費を正しく評価することは一般の方には難しいことだとは思いますが、せめて工事の中身がどういう内容となっていて、その工事が住まいに何をもたらしているのか?については、しっかりと理解をすることが大事だと思います。

 

<補足>
予算に大きくかかわってくるのが物件の床面積です。小さければ物件購入費も、工事費も抑えることができますね。では床面積はどれだけ必要なのでしょうか?

これを正しく把握するのはなかなか難しいと思います。なので施工事例を見てもらいながら、成り立つのかどうかの確認をすることもあります。

床面積が小さめの物件でもうまく計画できれば、心地よく暮らせる住まいになります。工事費も抑えられるので予算的に無理だと思っていたけれど、成り立つ可能性もでてきます。

ざっくばらんに相談してもらい、予算の中でどんな方向性のことが可能なのかを一緒に考えていくようにしています。

【参考】4人家族に必要なマンションの広さを考える